突然ですが、「愛鳥と生活をするにあたって避けたいけれど、誰しもが避けては通れない話題」といえばなんでしょうか?
そう、それは愛鳥の病気です。人間にもさまざまな病気があるように、鳥にも多くの病気が存在します。そしてそれらの病気は自宅で治療できるものから、時に入院が必要になるものまで存在します。
愛鳥と1日でも長く一緒に暮らしたい、と考える愛鳥家の方は多いことで
しょう。大切な愛鳥の健康を守っていくためには、鳥ならではの病気やその症状、病気にならないようにできることなどを知っておくことはとても大切です。
この記事では愛鳥によく見られる5つの病気やその症状、そして病気にさせないためにできることを解説していきます。
1・アスペルギルス症
アスペルギルス症は、カビの1種である「アスペルギルス」の胞子が原因となって起きる呼吸器系の症状です。人にも動物にも感染する可能性がある人畜共通感染症(ズーノーシス)で、カビが発生しやすい梅雨~夏の湿度が高い時期には特に気を付けたい病気の1つです。
鳥の中では猛禽類(もうきんるい)やペンギン、大型のインコがかかりやすく、小型の鳥ではかかりにくいといわれています。しかしセキセイインコではしばしば感染例が見られるため、病名や症状だけでも覚えておくと良いでしょう。
症状
○元気や食欲が無くなり、やせてくる
○口を開けて呼吸する、喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅーといった音がすること)など
対策
○羽根や糞などに付着したクラミジアを吸い込まないように、こまめに掃除をする
○体力をつけるため、日頃からバランスの取れた餌を与える
○運動不足になって体力が落ちないように、日頃から適度に運動をさせる
○餌や鳥が使うグッズにカビが繁殖しないように心がける など
2・クラミジア症(オウム病)
クラミジア症(オウム病)は「オウム病クラミジア」が原因となって起きる、人畜共通感染症です。その名前からオウムだけがかかる病気のように思えますが、実際にはあらゆる種類や年齢の鳥で感染・発症する可能性があります。
人に感染すると高熱や咳などの風邪に似た症状が現れ、重症化すると肺炎を引き起こすこともあります。鳥を飼っていて風邪に似た症状が続いている時は、一度鳥を飼っている旨を伝えて病院にかかってみても良いかもしれません。
症状
○元気が無くなり、羽をふくらませてじっとしている
○下痢や食欲不振が起こり、やせてくる など
対策
○鳥の羽根や糞に含まれるクラミジアを吸い込まないように、こまめに掃除をする
○愛鳥に口移しで餌を与えない、愛鳥とキスをしない など
3・鳥インフルエンザ
鳥インフルエンザは「インフルエンザウイルス」が原因となって起きる、鳥類の病気です。主に野生の水鳥から多くの鳥類に感染する病気で、セキセイインコやカナリア、文鳥もかかる可能性がある人畜共通感染症です。
鳥インフルエンザはときおり、ニュースでその発生が報じられることがあります。しかし実際のところはペットの鳥たちへの感染例は少なく、それほど心配する必要はありません。どうしても心配な方は鳥インフルエンザの症状を知り、対策を行うと良いでしょう。
なお鳥インフルエンザは通常人間に感染しませんが、感染した鳥やその死骸と濃厚接触した場合はごくまれに感染することがあるようです。その際は通常のインフルエンザと同じように、高熱や咳といった症状が見られるそうです。
症状
○元気が無くなる
○下痢や呼吸器症状が見られる
○顔面が腫れる、皮下出血が見られる など
対策
○飼鳥が野生動物(野鳥やネズミなど)と接触しないように、きちんと戸締りをする
○外出先で鳥の死骸や糞などを見つけても、絶対に触らない
○こまめにケージの掃除を行う、時にはアルコールや逆性せっけんなどで消毒を行う
○愛鳥に触れる前と触れた後には必ず手洗いうがいをする
○愛鳥に口移しで餌を与えない、愛鳥とキスをしない など
4・マクロラブダス症(AGY、メガバクテリア症)
メガバクテリア症は「Macrorhabdus Ornithogaster」という真菌(カビのこと)が原因となって起きる、特にセキセイインコで良く見られる病気です。この真菌は主に鳥の胃に生息し、鳥の胃腸にじわじわとダメージを与えます。
実はマクロラブダス症に関しては真菌に感染しているけれど発症はしない、という状態の鳥も少なくありません。そういった状態の場合、鳥の体力や免疫力が落ちた時に突然症状が出て重篤化することがあります。
マクロラブダス症は一度発症し、慢性化してしまうと完治させることが難しい病気です。しかし早期発見、早期治療さえできれば完治させることは可能です。できれば(特に)セキセイインコをお迎えする時は、早めに糞便検査を行って真菌に感染しているかどうかを確認することをおすすめします。
症状
○嘔吐する
○下痢や血便など、便に異常が起きる
○食欲が落ちてやせてくる
対策
○お迎えした後に糞便検査を行う
○なるべく愛鳥にストレスがかからないような環境を整える
○マクロラブダス症が疑われる症状に気づいたら、すぐに獣医師の診察を受ける など
5・マイコプラズマ症
マイコプラズマ症は「マイコプラズマ」が原因となって起きる、呼吸器の病気です。
かつては主にニワトリの病気として知られていましたが、現在では世界中で飼われているインコやオウムをはじめとしたペットの鳥でも非常に良く見られる病気として知られています。
マイコプラズマ症はマイコプラズマに感染していても、発症するとは限らない病気です。ただしペットショップにいる段階からマイコプラズマを保有している鳥は意外と多く、また一度発症すると治ったと思っても再発してしまうことが少なくありません。そのため新しく鳥を自宅に迎える際は遺伝子検査を行い、マイコプラズマに感染しているかどうか確認することをおすすめします。
症状
○結膜炎が見られる(目の周りが赤くなる、腫れるなど)
○くしゃみや鼻水が出る
○口を開けて呼吸する など
対策
○お迎えした後に遺伝子検査を行う
○最低でも1日1回ケージを掃除し、ほこりや羽根などが少ない環境を作る
○マイコプラズマ症が疑われる症状に気づいたら、すぐに獣医師の診察を受ける など
まとめ
今回の記事では、愛鳥の病気について取り上げてきました。
愛鳥と1日でも長く暮らすためには鳥の病気やその症状について知り、日頃愛鳥と関わる中でその兆候にいち早く気づくことが大切です。ここまで読んでくださった方には、多くの病気はこまめに掃除を行い、愛鳥が暮らす環境を衛生的に保つことで防げるということが伝わっているかと思います。愛鳥の健康を保つためにもぜひ日々の掃除と観察に加え、「おかしいな?」と感じたらすぐに獣医師の診察を受ける習慣を付けてくださいね。
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